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雑記帳

仕入れた情報を自分のために自分の言葉で蓄積しておく場所

自作IEMの作り方とコツについて

GWなので久しぶりにDIYした. オーディオ機器が好きで前々からカスタムIEMが欲しいなあと思っていたが,自分で作る機会があったので製作記とコツを書き残しておく.

材料

  • BAドライバ (GK-31732)
  • mmcxコネクタ
  • mmcxケーブル
  • リッツ線
  • 音導管(シリコンチューブ 外経2mm)
  • インプレッション用シリコン
  • メス型作成用シリコン(造形村 透明シリコン)
  • UVレジン(太陽の雫)
  • レジン用着色剤

ドライバは今回knowlesのGK-31732を使用した.
値段は張るが(1つ6000円弱!)2ドライバかつネットワーク実装済みで,作例も多いので使ってみることにした.
リッツ線は表面がエナメルコーティングされており,別の線に接触してもショートする心配がないのでIEM制作にもってこいの線.

インプレッション作成,表面加工

まず最初にIEMの形状を決める重要なインプレッションを作成する.
インプレッションとはいわゆる耳型である.

http://item.rakuten.co.jp/g4-shop/ear-impression-kit/
楽天市場などでキットが売っていたりするが,耳鼻科に行って取ってもらうようにしよう.

f:id:applepine1125:20170505163041j:plain 耳型を取るとこんな感じになる.
ここからシェル作成に必要な部分以外は切り落としていく.

猫とDIY
切り落とし部分は上のブログを参考にさせていただいた.
ブログ内では表面をサフとニスで仕上げているが,塗装があまり得意ではないので,ロウでフォンデュして表面を薄くロウでコーティングするという割と有名な方法で表面加工を施した.
ロウでコーティングすることによって表面がなめらかになり,メス型作成の際に型から外しやすくなる.

f:id:applepine1125:20170505171017j:plain

メス型作成

個人的第1の関門.
ここではメス型用シリコンの気泡をしっかり抜くことが重要になる.
2液混合型のシリコンをよくよく混ぜた後,真空容器の中に入れ,真空,常圧を繰り返す作業を30分程やる.
メス型用シリコンは説明書によると30分で硬化し始め24時間で硬化するとのことだが,30分たってもまだまだ固まる気配はないので焦らず作業する.

30分ほど作業すると,シリコン内に気泡がないもしくは細かな気泡が残っている状態になる.残っている気泡はそのうち消えていくので放置して問題ない.
プラコップや専用の型とり容器の底にインプレッションを耳の外側の面を下向きにて置き,シリコンを流し込む.

f:id:applepine1125:20170505164518j:plain
型を取った後はこのような感じ.インプレッションについている白くボロボロしたものがロウ.青いのは形を整えるためのブルーミックス.
あまりシリコンを流し込みすぎるとインプレッションを型から外すのがちょっと面倒になるのと,レジンをUVで硬化させる際に光の透過率が落ち,硬化ムラの原因になるのでインプレッションが1~2cm浸るくらいにしておく.

シェル作成

個人的第2の関門.
先ほど作成したメス型とUVレジン,UVライトを使ってシェルを作成していく.
レジンにも気泡が入っていると出来上がりが無残なことになるので真空容器を使ってしっかり気泡を抜いておく.
UVライトや太陽光に当てなければすぐに固まることはないので,プラコップなどに黒いガムテープでも巻いて気泡抜き作業をやった後,黒いもので蓋をして1,2時間おいておけば気泡が抜ける.

型にレジンを流し込み,上に黒いゴムシートなどで蓋をして15~20秒ほどライトを当てる.
その後固まりきってないレジンを取り除き,型をひっくり返してライトを当てるとシェルが出来上がる.
ライトの照射時間は型の厚さやレジンに着けた色等によってかなり変化するので,トライアンドエラーでやってみるしかない.

f:id:applepine1125:20170505171017j:plain
作成したシェルはこんな感じ.

f:id:applepine1125:20170505171113j:plain
透明なシェルはUVを当てすぎると黄ばんでくるので青色のシェルを作り直した. 表面は手っ取り早くUVレジンのトップコートを塗って滑らかにしてあるが,トップコートによってすこし厚くなってしまい装着感に影響が出る可能性があるので,時間はかかるがコンパウンドを買って磨いたほうが良いかもしれない.

その後,音導管用の穴を開けておく. 今回は2ドライバ使うので2つ穴を開ける. 外径2mmのチューブを使用するので2.5mmのドリルを使うと挿入の際に楽になる.
意外とすんなり削れるので,電動ドリルを使うよりもピンバイスなどを使ったほうが失敗が少ないだろう.
開けた穴はザラザラとしてしまっているが.あとでレジンを流し込むので問題ない.

 ドライバの配線

mmcxコネクタとドライバをリッツ線で配線する.
リッツ線はハンダ前にコテかはんだボールの中に突っ込んでエナメルを溶かしてからはんだ付けする.

f:id:applepine1125:20170505171441j:plain

ドライバへの音導管の接着,シェルへの格納

ドライバと音導管はレジンを刷毛で少し垂らして接着する.ドライバの音の出口の部分に膜が張りやすく,膜が張ってしまうと音が明らかにおかしくなってしまうので注意.(一度失敗して作り直した...)

f:id:applepine1125:20170505172552j:plain シェル内に格納するとこんな感じ.
mmcxコネクタはシェルに溝を掘ってそこに埋め込むようにする.

仕上げ 

普通であればフェイスプレートを作成して蓋をして完成だが,今回はレジンを流し込んで固めることにした.
この方法はもし失敗したときに確実にドライバがオシャカになるのではじめのうちはおすすめしない.慣れてきたらやろう.
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レジンを流し込んで表面を仕上げて完成.

まとめ

音はBAドライバのくせにやたら低音が強めなので音響抵抗を入れていない.
ドライバの特性なのか,音導管のせいなのか...まああまりにもひどいというわけではないのでそのままにしている. 左右の音導管の長さがずれることによって位相が変化し定位感などにも影響するので,そのあたりも気をつけながら次回実装してみたい.

作業の中で見た目に大きく影響するのは,メス型の作成,シェルの作成だろう.
シリコンもレジンもとにかくよく気泡を抜く. シェルの表面はトップコートよりもコンパウンドで磨いたほうがいいと思うので次回は磨き仕上げにしてみる.

お金はかかるが,メーカーに依頼するよりもかなり安く製作することができ,自分好みのオレオレIEMのを作ることができるので,興味のある人は是非.